Google Cloud Spanner Sink Connector 構成プロパティ¶
このコネクターを使用するには、connector.class
構成プロパティで、コネクタークラスの名前を指定します。
connector.class=io.confluent.connect.spanner.SpannerSinkConnector
コネクター固有の構成プロパティについて、以降で説明します。
接続¶
gcp.spanner.instance.id
接続先の Spanner インスタンスの ID。
- 型: string
- 重要度: 高
gcp.spanner.database.id
トピックテーブルが配置されているデータベース、または作成されるデータベースの ID。
- 型: string
- 重要度: 高
gcp.spanner.credentials.path
JSON サービスキーファイルへのパス。空の場合は、認証情報が
gcp.spanner.credentials.json
設定から読み取られます。- 型: string
- デフォルト: ""
- 重要度: 高
gcp.spanner.credentials.json
JSON サービスキーファイルのコンテンツ。空の場合は、認証情報が
gcp.spanner.credentials.path
設定から読み取られます。- 型: password
- デフォルト: null
- 重要度: 高
gcp.spanner.proxy.url
URL 構文でエンコードされた Google Cloud Spanner プロキシの設定。このプロパティは、プロキシを介して Spanner にアクセスする必要がある場合にのみ設定します。
- 型: string
- デフォルト: ""
- 重要度: 低
gcp.spanner.proxy.user
Spanner プロキシのユーザー。このプロパティは、プロキシを介して Spanner にアクセスする必要がある場合にのみ設定します。
gcp.spanner.proxy.url
にユーザー名とパスワードを埋め込むのではなく、gcp.spanner.proxy.user
を使用することにより、パスワードがログに表示されなくなります。- 型: string
- デフォルト: null
- 重要度: 低
gcp.spanner.proxy.password
Spanner プロキシのパスワード。このプロパティは、プロキシを介して Spanner にアクセスする必要がある場合にのみ設定します。
gcp.spanner.proxy.url
にユーザー名とパスワードを埋め込むのではなく、gcp.spanner.proxy.password
を使用することにより、パスワードがログに表示されなくなります。- 型: password
- デフォルト: null
- 重要度: 低
書き込み¶
insert.mode
使用する挿入モード。サポートされるモードを以下に示します。
insert
標準の
INSERT
機能を使用します。挿入される行が既にテーブルに存在する場合は、エラーがスローされます。update
UPDATE
機能を使用します。アップデートする行がテーブルに存在しない場合は、エラーがスローされます。upsert
このモードは、
INSERT
と同じように機能します。ただし、行が既に存在する場合は、指定された値でその列の値が上書きされます。- 型: string
- デフォルト: INSERT
- 指定可能な値: [UPSERT、INSERT、UPDATE] のいずれか
- 重要度: 高
max.batch.size
Spanner に対する 1 回の挿入、アップデート、またはアップサートの各操作で、バッチにまとめることができる最大レコード数。
- 型: int
- デフォルト: 1000
- 指定可能な値: [1,…]
- 重要度: 中
error.mode
Spanner への書き込みによって発生したエラーの処理方法を指定します。
- 型: string
- デフォルト: fail
- 指定可能な値: [IGNORE、FAIL、WARN] のいずれか
- 重要度: 中
データマッピング¶
table.name.format
マップ先テーブル名のフォーマット制御文字列。マップ元のトピック名を表すプレースホルダーとして
${topic}
を含めることができます。たとえば、トピック「orders」の
kafka_${topic}
は、テーブル名「kafka_orders」にマップされます。テーブル名についての Spanner の制約は
{a—z|A—Z}[{a—z|A—Z|0—9|_}+]
です。- 型: string
- デフォルト: ${topic}
- 指定可能な値: 空ではない文字列値
- 重要度: 中
pk.mode
プライマリキーモード。相互作用について
pk.fields
の説明も参照してください。サポートされるモードを以下に示します。kafka
Kafka 座標が PK として使用されます。
record_key
レコードキーからのフィールドが使用されます。これらはプリミティブ型または構造体のいずれかです。
record_value
レコード値からのフィールドが使用されます。これらは構造体である必要があります。
- 型: string
- デフォルト: kafka
- 有効な値: [RECORD_VALUE、KAFKA、RECORD_KEY] のいずれか
- 重要度: 高
pk.fields
プライマリキーのフィールド名のコンマ区切りのリスト。この設定の実行時の解釈は、
pk.mode
に依存します。kafka
Kafka 座標を表す 3 つの値。空の場合、デフォルト値は
connect_topic__, connect_partition__, connect_offset__
です。record_key
指定したキーのフィールドを抽出します。空の場合は、キー構造体からすべてのフィールドが利用されます。プリミティブキーの場合は、単一のフィールド名のみが構成されている必要があります。
record_value
目的の値のフィールドを抽出します。空の場合は、値構造体からすべてのフィールドが利用されます。
Spanner では、
Array
型の列は PK として選択できません。- 型: list
- デフォルト: ""
- 重要度: 中
fields.whitelist
指定されたフィールドをフィルター処理します。レコード値フィールド名のコンマ区切りのリストです。空の場合は、レコード値からすべてのフィールドが使用されます。
注釈
pk.fields
設定は、送信先データベースのプライマリキー列をどのフィールドで構成するかというコンテキストで独立して適用されますが、その他の列にはfields.whitelist
が適用されます。- 型: list
- デフォルト: ""
- 重要度: 中
DDL サポート¶
auto.create
送信先テーブルが存在しない場合に、レコードスキーマに基づくテーブルを
CREATE
を発行して自動的に作成するかどうかを指定します。- 型: boolean
- デフォルト: false
- 重要度: 中
auto.evolve
レコードスキーマに関連する列がテーブルスキーマに存在しない場合に、列を
ALTER
を発行して自動的に追加するかどうかを指定します。- 型: boolean
- デフォルト: false
- 重要度: 中
再試行¶
retry.timeout.ms
エラー時に再試行する最大時間。これを過ぎるとタスクは失敗します。
- 型: long
- デフォルト: 60000
- 指定可能な値: [0,…]
- 重要度: 中
request.timeout.ms
Spanner へのリクエストが完了するまでの待ち時間。これを過ぎると、タイムアウトして再試行します。
- 型: long
- デフォルト: 6000
- 指定可能な値: [0,…]
- 重要度: 中
Confluent Platform ライセンス¶
confluent.topic.bootstrap.servers
ライセンス供与に使用される Kafka クラスターとの初期接続を確立するために使用するホストとポートのペアのリスト。初期接続で、クラスター内のすべてのサーバーが検出されます。このリストは、host1:port1,host2:port2,...
という形式にする必要があります。これらのサーバーは、初期接続ですべてのクラスターメンバーシップを検出するためにのみ使用されます。これは動的に変わる可能性があるので、このリストにすべてのサーバーセットを含める必要はありません(ただし、サーバーの障害に備えて、複数指定しておくこともできます)。
- 型: list
- 重要度: 高
confluent.topic
Confluent Platform の構成で使用される Kafka のトピックの名前。ライセンス情報を含みます。
- 型: string
- デフォルト: _confluent-command
- 重要度: 低
confluent.topic.replication.factor
Confluent Platform の構成(ライセンス情報など)で使用される Kafka のトピックのレプリケーション係数。これは、トピックがまだ存在しない場合にのみ使用されます。デフォルトの 3 は、本稼働環境での使用に適しています。ブローカー数が 3 未満の開発環境で使用する場合は、そのブローカー数をこのプロパティに設定する必要があります(多くの場合、1 です)。
- 型: int
- デフォルト: 3
- 重要度: 低
Confluent ライセンスのプロパティ¶
ちなみに
コネクターの構成にライセンス関連のプロパティを含めることができますが、Confluent Platform バージョン 6.0 以降では、各コネクターの構成ではなく、Connect ワーカーの構成 でライセンス関連のプロパティを設定できるようになりました。
注釈
このコネクターはプロプライエタリであり、ライセンスが必要です。ライセンス情報は、_confluent-command
トピックに保管されています。ブローカーが SSL 接続を必要とする場合は、以下で説明するセキュリティ関連の confluent.topic.*
プロパティを含める必要があります。
confluent.license
Confluent では、各契約者に Confluent エンタープライズライセンスキーを発行します。ライセンスキーはテキストであるため、コピーアンドペーストで
confluent.license
の値として使用できます。試用ライセンスでは、コネクターを 30 日間使用できます。開発者ライセンスでは、ブローカーが 1 つの開発環境で、コネクターを無期限に使用できます。既にご契約されている場合は、詳細について Confluent サポートにお問い合わせください。
- 型: string
- デフォルト: ""
- 指定可能な値: Confluent Platform ライセンス
- 重要度: 高
confluent.topic.ssl.truststore.location
トラストストアファイルの場所。
- 型: string
- デフォルト: null
- 重要度: 高
confluent.topic.ssl.truststore.password
トラストストアファイルのパスワード。パスワードが設定されていなくてもトラストストアにアクセスできますが、整合性チェックが無効になります。
- 型: password
- デフォルト: null
- 重要度: 高
confluent.topic.ssl.keystore.location
キーストアファイルの場所。クライアントでは省略可能です。クライアントの相互認証に使用できます。
- 型: string
- デフォルト: null
- 重要度: 高
confluent.topic.ssl.keystore.password
キーストアファイルのストアパスワード。クライアントでは省略可能です。ssl.keystore.location を構成した場合にのみ必要となります。
- 型: password
- デフォルト: null
- 重要度: 高
confluent.topic.ssl.key.password
キーストアファイル内のプライベートキーのパスワード。クライアントでは省略可能です。
- 型: password
- デフォルト: null
- 重要度: 高
confluent.topic.security.protocol
ブローカーとの通信に使用されるプロトコル。指定可能な値は、PLAINTEXT、SSL、SASL_PLAINTEXT、SASL_SSL です。
- 型: string
- デフォルト: "PLAINTEXT"
- 重要度: 中
ライセンストピックの構成¶
Confluent エンタープライズライセンスは、_confluent-command
トピックに保管されています。このトピックは、デフォルトで作成され、confluent.license
プロパティで指定されたライセンスキーに対応するライセンスが含まれます。
注釈
パブリックキーは Kafka のトピックには保管されません。
以下では、デフォルトの _confluent-command
トピックがさまざまなシナリオでどのように生成されるかを説明します。
confluent.license
プロパティを追加していない場合、またはこのプロパティを(confluent.license=
などで)空にした場合は、_confluent command
トピックに、30 日間の試用ライセンスが自動的に生成されます。- 有効なライセンスキーを(
confluent.license=<valid-license-key>
などで)追加すると、有効なライセンスが_confluent-command
トピックに追加されます。
以下は、開発およびテストのための最小限のプロパティの例です。
_confluent-command
トピックの名前は confluent.topic
プロパティを使用して変更できます(たとえば、環境に厳格な命名規則がある場合など)。以下の例は、この変更と、構成された Kafka ブートストラップサーバーを示しています。
confluent.topic=foo_confluent-command
confluent.topic.bootstrap.servers=localhost:9092
上の例は、開発およびテストで使用できるブートストラップサーバーの必要最小限のプロパティを示しています。本稼働環境の場合は、プレフィックスとして confluent.topic.
を付けて、通常のプロデューサー、コンシューマー、およびトピックの各構成プロパティをコネクターのプロパティに追加します。
ライセンストピックの ACL¶
_confluent-command
トピックには、confluent.license
プロパティで指定されたライセンスキーに対応するライセンスが含まれます。このトピックはデフォルトで作成されます。このトピックにアクセスするコネクターには、以下の ACL を構成する必要があります。
コネクターでトピックの作成が必要な場合は、リソースクラスターでの CREATE および DESCRIBE。
_confluent-command
トピックでの DESCRIBE、READ、および WRITE。重要
You may also use DESCRIBE and READ without WRITE to restrict access to read-only for license topic ACLs. If a topic exists, the LicenseManager will not try to create the topic.
ライセンスを使用する各プリンシパルに個別にアクセス許可を付与することができます。または、 ワイルドカード入力 を使用すると、すべてのクライアントを許可できます。以下の例は、リソースクラスターおよび _confluent-command
トピックの ACL を構成するために使用できるコマンドを示しています。
リソースクラスターの CREATE および DESCRIBE の ACL を設定します。
kafka-acls --bootstrap-server localhost:9092 --command-config adminclient-configs.conf \ --add --allow-principal User:<principal> \ --operation CREATE --operation DESCRIBE --cluster
_confluent-command
トピックの DESCRIBE、READ、および WRITE の ACL を設定します。kafka-acls --bootstrap-server localhost:9092 --command-config adminclient-configs.conf \ --add --allow-principal User:<principal> \ --operation DESCRIBE --operation READ --operation WRITE --topic _confluent-command
デフォルトの構成プロパティのオーバーライド¶
confluent.topic.replication.factor
を使用することにより、レプリケーション係数をオーバーライドできます。たとえば、(開発およびテスト用の)ブローカー数 3 未満の環境で送信先として Kafka クラスターを使用する場合、confluent.topic.replication.factor
プロパティに 1
を設定する必要があります。
プロデューサー固有のプロパティは、confluent.topic.producer.
プレフィックスを使用することによりオーバーライドできます。コンシューマー固有のプロパティは、confluent.topic.consumer.
プレフィックスを使用することによりオーバーライドできます。
デフォルト値を使用することも、他のプロパティをカスタマイズすることもできます。たとえば、confluent.topic.client.id
プロパティのデフォルトは、コネクターの名前に -licensing
サフィックスを付けたものです。クライアント接続に SSL または SASL を必要とするブローカーの構成設定では、このプレフィックスを使用します。
トピックのクリーンアップのポリシーはオーバーライドできません。トピックは、常に 1 パーティションであり、圧縮されるからです。また、このプレフィックスを使用してシリアライザーおよびデシリアライザーを指定しないでください。追加されても無視されます。